バレエスーパーガラを観て来ました

8月3日、グランキュウーブ大阪で開催されたバレエスーパーガラを観て来ました。
国内外で活躍するダンサーが一同に集結し素晴らしい踊りを披露していました。
主催はMRB松田敏子リラクゼーションバレエという団体です。松田先生のご主人は小嶋直也さんといって新国立バレエ団でもご指導をなさっています。沢山の優秀なダンサーを育成したとても優れた指導者であると思います。現役時代の踊りも拝見した事はありますが、世界で通用するダンサーでした。息子の遼もご指導頂いた事があります。
公演の感想ですが、グラン・パ・ドゥ・ドゥ、ヴァリエーション、コンテンポラリーダンス、様々のスタイル、様々なジャンルの踊りをかなりのレベルのダンサーが披露し、とても見応えのある舞台でした。しかし残念な事に特に印象に残る作品というのがありませんでした。皆さんとても上手なんですが、心を打つというか感情にダイレクトに届くというか、気持ちを揺さぶられる作品がなかったです。ダンサーどうしがテクニックを競うレベルで終わっているような気がしました。要するに内容が伝わってこないのですね。このあたりがガラ公演の限界かもしれません。
後プログラムのプロフィールを拝見すると、沢山のコンクールで沢山の賞を受賞されていても、実際の作品としての踊りには関係無いのだなと感じました。
そんな事より僕が最も驚いた事は、いちバレエスタジオが、しかも毎年このレベルの公演を開催しているという事です。とても広い人間関係と行動力とエネルギーと組織力が無いと出来無い事です。
敬服いたします。
また来年も開催されるそうなので、チャンスがあれば観に行きたいと思います。


照明下見



勉強会のリハーサルもいよいよ、後半に入って来ました。
7月20日は初めて衣装を着けての照明下見の日でした。
皆んな衣装を着けるととても可愛くて、上手に見えるのは何故でしょうか?
小学生の生徒さん達はウォームアップのバーレッスンの時から、お姉さん達に囲まれて、やや緊張ぎみでした。
本番まで後少し、暑い日が続きますが熱中症などにならないよう、体調管理には十分気を配って下さい。


春休み集中リハーサル

夏の勉強会のための春休み集中リハーサルが終了しました。

皆さんとても一生懸命取り組んでくれて、8月の本番が今からとても楽しみです。
作品はそれぞれの生徒さんのレベル、個性に合わせて創作をしたり、古典のバリエーションはアレンジを加えたりしました。
しかし大切な事は舞台に出る事だけではないと思います。もっと大切な事は日常の基本的なレッスンをキチンとする事です。日々のレッスンをおろそかにして作品も、舞台も良くなる事はありません。
特にトゥシューズを履いて踊る人は沢山レッスンして下さい。今回のリハーサルでもレッスン不足の人が何人か見受けられました。トゥシューズに憧れる気持ちはわかりますが、トゥシューズは正しく履かないと怪我をする事もあるので、しっかりレッスンして下さい。

生徒のみなさんのやる気、情熱をとても感じました。それだけに、レッスン、リハーサルをしっかりやって8月の勉強会を良い舞台にしたいと思います。

皆さん、お疲れ様でした。


コンクール審査員 パート2

今日二日目の審査員をやって来ました。

小学校の3年生から6年生のダンサーたちの審査です。
皆さんとても真剣に取り組んでいて、一生懸命な様子に若いエネルギーを感じました。

しかし、最近の子供たちはスタイルが良くなりましたね。
驚くほど手足が長く、顔も小さく、昭和30年代初頭に生まれた私の世代には考えられないプロポーションの子供たちが沢山いました。
 しかし、まだ小学生、自分の手足を自分で使いこなせていない印象を受けました。手足に軸が振り回されてコントロール出来ていないんですね。
やはり、お腹、背中の体幹のトレーニングは必要だと痛感します。
そこで指導者の問題があると思います。こういった時期にはあまり高度なテクニックは要求せず、基礎をキチンと習得させた方が将来的にその生徒さんの上達につながるのではないかと思いました。

 もう一つ、今日も小学校6年生で、すでにヴァリエーションだけは完成しいる、小さな大人のような踊りを披露した人が何人かいました。表情もテクニックもとても上手なのですが、私にはやや指導者が作り込み過ぎているように感じました。おそらくとても細かいご指導なさっているのだとおもいます。
それはそれで、コンクール的には高い得点を獲得できるので悪い事ではないと思いますが、あまり指導者が作り込み過ぎないで、ダンサー本人が役柄を理解した上で自然に出る表情が大切だと思います。
バレエの基礎トレーニングとは技術的な事だけでなく、表現者としての心のトレーニングも必要だと思います。

 長時間の審査は公平を期するため、ずっと気を張っていなければならないので大変ではあるのですが、参加者の皆さんからバレエが大好きという事がとても伝わって来て、バレエ業界に携わる人間としてはとても幸せな時間でした。


コンクール審査員


3月30日にバレエコンクールの審査員をやってきました。

私が審査したのは、中学生と高校生以上の皆さんでした。
このコンクールの審査員を務めて5年くらいになるのですが、毎年レベルが上がっているように思います。
若い人たちが一生懸命頑張っている姿を見る事はとても気持ちの良いものです。

しかし、少し懸念している事があります。
皆さんとても良く飛んで、回ってイキイキと動くのですが、クラシックバレエを踊る事と音楽に合わせて身体を動かす事は根本的に違います。
今求められている事は、ただ高くジャンプする、たくさん回転する事ではなくて、その質が大切だと思います。
正しいポジション、正しいフォーム、正しい着地、バレエは運動能力よりも正しく美しく踊る事が大切です。
もう一つ、演目の内容に合った表現の仕方が大切だと思います。同じピルエットでもオディールとオデットのピルエットは違うはずです。その辺りの解釈が難しいと思いました。
また、年齢に相応した演目を選ぶ事も大切だと感じました。
やり過ぎてもいけないし、足らなくては観客に伝わらない。身体能力と共に表現者としての感性が今のコンクールでは問われているんではないでしょうか。

審査員をやっていつも思う事なのですが、バレエはやはり奥が深いですね。
今日は7時間の審査でしたが、明日も5時間頑張って来ます。